遺産分割協議の基本と記載例| 合意ができないとどうなる?

遺産分割協議の基本と記載例
| 合意ができないとどうなる?

更新日:2025-09-11|カテゴリ:相続・遺産分割協議
目次

遺産分割協議は、相続人全員で「財産をどう分けるか」を話し合い、文書にまとめることです。ここを丁寧に進めると、名義変更や税金の手続きもスムーズになります。

遺産分割協議とは?

相続人全員の合意が必要です。合意できない場合は、その財産の名義変更や売却などができなくなり、裁判所の手続き(遺産分割調停・審判)が必要になります。

進め方(基本ステップ)

  1. 相続人の確定(戸籍を確認し、相続人が全員いることを確認)
  2. 財産の洗い出し(不動産・預貯金・証券・車・貴金属など)
  3. 評価(金額)の確認(不動産は固定資産評価額・路線価・査定書など、預貯金は通帳や残高証明書など)
  4. 分け方の案づくり(後述の4パターン)
  5. 合意→遺産分割協議書に署名押印(実印+印鑑証明書)

分け方の種類

  • 現物分割:財産をそのままの状態で分ける(例:家は長男、預金は次男が取得)
  • 代償分割:特定の相続人が財産を取得し、他の人に代わりのお金を支払う(例:家は長男が取得し、その代わりに次男に1,000万円を支払う)
  • 換価分割:相続財産を売って、そのお金を分ける(例:父の家を売却して、売買代金の2,000万円を長男と次男で半分ずつ分ける)
  • 共有分割:いったん共有名義で相続する(例:家の名義を長男と次男で2分の1ずつの共有名義にする)

共有にした場合は将来の売却時に全員の合意が必要になります。
争いが発生したり不要な手間がかかるリスクがあるため、やむを得ない場合に限定して出口(いつ・どう解消するか)を決めておきましょう。

遺産分割協議書の作り方

  • 相続人全員の氏名・住所(戸籍・印鑑証明書と一致)
  • 対象財産の正確な表示(不動産は登記事項証明書、預貯金は通帳、有価証券は取引報告書を確認)
  • 分け方の内容(誰が何を取得するか、代償金の有無、換価分割にするならその旨)
  • 日付・署名・実印(日付は全員の合意が取れた日、実印は印鑑証明書で印影を確認)

ページ差し替え防止のため、契印(ページとページにまたがって押印)をしておくと安心です。

遺産分割協議書の記載例

令和〇年〇月〇日、下記相続人は、被相続人〇〇〇〇(令和〇年〇月〇日死亡。本籍:東京都〇〇市〇丁目〇番〇号・生年月日昭和〇年〇月〇日)の遺産について協議を行い、次のとおり分割することに合意した。

第1条 不動産

被相続人名義の下記不動産は、相続人Aが取得する。

 所在地:〇〇市〇〇町〇丁目
 地番:〇〇番
 地目:宅地
 地積:〇〇.〇〇㎡

 所在地:〇〇市〇〇町〇丁目〇番地
 家屋番号:〇〇番
 種類:居宅
 構造:木造瓦葺2階建
 床面積:1階〇〇.〇〇㎡、2階〇〇.〇〇㎡

第2条 預貯金

被相続人名義の預貯金については、下記のとおりとする。

    1. ○○銀行 ○○支店 普通預金(口座番号:××××)は相続人Bが取得する。
    2. △△信用金庫 △△支店 定期預金(口座番号:××××)は相続人Cが取得する。

第3条 その他の財産

本協議書に記載なき遺産及び後日新たに発見された遺産については、別途相続人全員の協議のうえ、取得者を決定する。

以上のとおり、相続人全員による遺産分割協議が合意されたことを証明するため、本協議書を2通作成し、相続人全員がこれに署名押印のうえ、各自1通を保有する。

相続人署名欄

相続人A 住所:東京都〇〇市〇〇〇〇
氏名:________ 印

相続人B 住所:神奈川県〇〇市〇〇〇〇
氏名:________ 印

相続人C 住所:埼玉県〇〇市〇〇〇〇
氏名:________ 印

合意できないときの手続き

  1. 家庭裁判所での調停:第三者(調停委員)を交えて話し合い
  2. 審判:合意できない場合、裁判所が分け方を決める

不動産の相続登記は3年以内が原則です。協議が長引く場合は相続人申告登記で期限をカバーしておきましょう。

トラブルを防ぐコツ

  • ①情報を早めに共有(財産目録・評価・通帳コピーなどは全員に同じものを配布)
  • ②感情と事実を分ける(事実確認の場→分け方の話し合いの順で進める、家族間の話し合いなので事実以上に感情の部分を大事にする)
  • ③第三者の専門家を交える(評価や分割案の公平感が増します、遺産分割協議に代理で参加して交渉ができるのは弁護士だけです)

よくあるご質問

Q. 遺産分割協議書は必ず作らないといけませんか?

A. いいえ、法律で必ず作成が義務づけられているわけではありません。
ただし、不動産の名義変更や銀行口座の解約・名義変更には提出が必要になるため、基本的には作るものと考えてきましょう。

Q. 協議書は誰が作成しても良いのですか?

A. はい、相続人や専門家(司法書士・弁護士・税理士など)が作成できます。
形式は自由ですが、相続人全員の署名と実印押印+印鑑証明書が必要です。誤りや不備があると登記や手続きができなくなるため、専門家に依頼する方が安全です。

Q. 相続人の一部が協議書に署名しなかったらどうなりますか?

A. 相続人全員の同意がなければ、遺産分割協議は成立しません。
一人でも署名押印しない人がいる場合、その協議書は無効となり、不動産の名義変更などもできません。※上記合意できないときの手続きを参照

Q. 遺産分割協議書に有効期限はありますか?

A. 有効期限はありません。
ただし、10年経過すると特別受益や寄与分といった権利を考慮することができなくなります。
早めに協議書を作成し、登記や金融機関、相続税の手続きを済ませることが大切です。

Q. 協議後に財産が見つかったら?

A. 追加の協議書を作成します。
最初の協議書に「本協議書に記載なき遺産及び後日新たに発見された遺産については、別途相続人全員の協議のうえ、取得者を決定する。」などの旨を入れておくとスムーズです。

公平で納得感のある分け方づくりをサポートします。協議書の作成から登記までお任せください。

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